復興をすすめる上での重要な6つのポイントを解説します。

復興準備の必要性

2つの大震災と復興

2つの大震災と復興 イメージ

1995年の阪神大震災・2011年の東日本大震災をはじめ大規模な被災事例が相次いだことで復興まちづくりの新たな問題が明らかになりその対応について議論が行われています。

これまでも、個人の住宅再建・生活再建に対する支援の乏しさや従前のコミュニティの崩壊、都市計画事業と生活再建の対立など、大災害の度に課題が顕在化してきました。

これまでの災害対策

これまでの災害対策

これまでの防災・減災の考え方は、災害の被害を防ぐという観点に立ったもので、実際に災害が起こった後にどのような問題が起こり、それをどのように解消していくかまでを見据えたものではありませんでした。

首都圏直下型地震・東海地震など来たるべき新たな災害では過去には見えなかった課題が新しく生じてくると考えられます。過去の災害での復興状況は、あくまでその被災地の地域特性とその時代背景に対応したものであり、ただそれを準用するだけでは対応しきれない部分が生じてくるでしょう。

復興準備 / 事前復興という考え方

復興準備 / 事前復興という考え方

いま、復興準備/事前復興という取組みが始まっています。

災害後の復興状況を事前に想定し把握し、復興時期に生じる問題を緩和する手段を事前に検討し準備しておくことで、「復興時における問題をできる限り緩和し、円滑な復興と被災者の生活再建を実現する」ことを目指すという考え方が復興準備/事前復興です。

この章では、「復興イメージトレーニング」の基礎となる、この復興準備/事前復興の取組みについて解説していきます。