第1回ワークショップ 「水害の危険性を自分の問題として理解する」

1st Workshop(December 2006)
2006年12月16日 場所:大成化工
1.災害状況をイメージする
 新小岩地域における水害の危険性に関する情報を共有していない状況で、「いつもの土曜日に水害によって水がでているという話を聞いた」場合を想像して、時系列で自分自身の行動を考えてみました.議論に先立ち,与えられた情報の信頼性について質問がだされ,正しい情報を得ることの重要性が確認されました.
 皆さんの示した行動をみると,①水害についての情報を集め,②避難の準備をし,③避難するという行動パターンは共通していますが,いつごろ危険な状況になるのか,いつ,どこに避難するかといった点については,いろいろな考え方がありました.特に避難する場所については,「自宅に待機する」と「学校」に大きく分かれました.「近くの高いマンションに避難する」と答えた方も数人いらっしゃいました.
 最も多いパターンは,①水害情報の確認,或いは,外の様子を確認,②貴重品・食料等を2,3階に上げる等の避難準備を行い,③そのまま自宅に待機するか,学校に避難する,というものでした.「2階でじっとしていれば大丈夫」等,自分のところは平気である,または避難しても仕方ないという方もみられました.
 議論の過程では,被災経験のある方が体験談をお話され,被災経験から学ぶことの重要性が再確認されました.
水害発生!!あなたはどうしますか?ワークショップ写真
2.災害状況を疑似体験する
(1)過去の水害の映像をみる
 伊勢湾台風の被災時の映像等,過去の被災状況をNPO「ア!安全・快適街づくり」の石川理事長の解説付きで見ることで,改めて水害の実態を確認することができました.
(2)「地理情報システム(GIS)」により新小岩地域の状況を確認する
 地理情報システム(GIS)を用いて新小岩地域の浸水状況をシミュレーションによって確認しました.
ワークショップ写真
地盤高建物階数
地盤高建物階数
最大浸水深各建物の浸水状況
最大浸水深各建物の浸水状況
(3)実際に街に出て,水害の状況を確認する
 街歩きでは,地盤沈下によってゼロメートルになってしまったことを再確認し,さらに浸水したときの水の流れをその場で想像しました.どのように水が流れていくか,家屋にどのように浸水していくかを話し合っている様子がみられました.いつも見慣れている街を違った観点で観察できたのではないでしょうか.
街歩きのコースと浸水予想の図
街歩きのコースと浸水予想の図
堤防の上に登り,市街地が中川の水面より低いということを確認しました.水害発生時,その場所で浸水深がどれほどになるかということを確認しました.
堤防の上に登り,市街地が中川の水面より低いということを確認しました.水害発生時,その場所で浸水深がどれほどになるかということを確認しました.
3.「水害の危険性を自分の問題として理解する」
 各テーブルに分かれて,今回のワークショップで考えたこと,今後考えていかなければならないことを整理しました.新小岩地域の水害対する脆弱性が理解でき,「個人として,また地域として何らかの備えをしていかなければならない」といった意見がだされました.
 また,「地域のもっと多くの人にまちの脆弱性について理解してもらい,安全に避難できるまちにしていくべきだ」といった今後につながる意見がだされました.その一方で,現在,行政の水害に対する備えや現在の堤防の強さ等,行政の防災対策を知る必要があるとの課題が示されました.